犬語の教科書―楽しく暮らすための共通のことば/藤代 冥砂

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動物が飼えない環境なので、「飼った気分」をちょいと味わいたくて購入。
しかしー、いかんね。こういう本は。
読めば読むほど、マルのことを思い出して、ちょびっと涙ぐんでしまった。
ううっ、ぐずん。
(ちなみに、まだ生きてます)

犬の飼い方本はこの世に数あれど、この本は「実用書」のジャンルにいれるべきではないのでは。

この本のメインは、写真家の藤代冥砂氏による、自分の愛犬と奥様の田辺あゆみさんとの日々を綴った写真と、専門家の先生による犬との生活について、犬とのコミュニケーションの方法、犬のしぐさについて(犬語辞書)の説明で構成されています。

この前、鎌倉のトレイルで休憩していた時に、
ソフトバンクのお父さん犬と同じ犬が、
飼い主のおじさん(見た目老齢)にのしかかって腰を振っている光景を見て
「あれはいったい、、、なぜ(おじいさんなのに)?」
と二人であっけにとられて見ていたのですが、そのジェスチャーの説明もあって、二人で納得。

なんでも、犬はおじさんに交尾しかけようとしていたのではなくて、自分の優位性を占めそうということだったらしい。
ただ、本にはしっかり「人前でそれをするのはいい光景ではないので、やめるようにしつけましょう」と書かれていたが。
(しつけに失敗したね、おじいさん。)

一昔前に、藤代氏の新婚時代をつづった「もう家に帰ろう」の写真集をビレバンで目にして
「ちくしょー、写真家でパリコレモデルを奥さんだとー?こいつどんだけ男前なんだよー、いい気になりやがってー」と、(私女ですが)なんだかジェラシーと気恥ずかしさで手を震わせながら読んだ記憶がありますが、、、、。

はー、この本にちょびっと登場する藤代さんは、それはそれはいい男でした。
なんか、彼のかもし出す発酵臭(なんじゃそりゃ)というか。いわゆるスーツが似合うとかブランド物が似合うのとはわけが違う、「自由人」の空気を身にまとっている人というんですかね。
そして、そういう「フリーダム」を出したくて全身パタゴニア着たぐらいじゃぜんぜんそこにたどり着けない類の男子を世に数多く算出させてしまうという。
なんて罪な人だ。


うおお、いけないいけない。私人妻なのに。


奥様の田辺あゆみさんも、「もう家に帰ろう」では、線が細くて、いかにも低血圧そうなアンニュイな、生活感のなさが出ている、江国香織の小説に出てきそうな人だなと思っていたのですが、この本に登場する犬が、ブルドッグ2匹で、しかもそのブルドッグをだっこしたり、散歩中の後始末のスナップを見て「この人、いい人じゃん!」と、自分勝手にお友達設定をしてしまうという、始末に終えない自分であった。

田辺あゆみさんはドッグトレーナー訓練を受けていたり、犬猫の里親支援活動をしていたり、震災にあったペットの世話をしたり、最近のブログを見ると葉山から沖縄に行って猫を拾ったりしている。
やっぱりフリーダムなファミリーなのであった。

まあ、私の憧れの生活なんだよね。
いいなー、私だって一日もふもふしていたいよー。

でも、そういう生活を実現するのに、とてつもなく努力している人たちなんだなーとも。
だから一層憧れるんだよな。

はあ、犬飼いたい(ダンナは横で「オカメインコ飼いたい」と)。
でも、犬も(オカメインコも)人間もハッピーに暮らすには、それなりの環境を整えないといけないよね。集合住宅よりは、ちゃんと犬や猫が出入りできる扉がある家だとか、なによりもお互い日中まったく家にいない、暇なときだけ相手するっていうんじゃなくて、せめてペットがおなかすいたタイミングでそばにいてやれるぐらいのことができないとなあ。

そういうわけで、この本に書かれた犬語を学習しつつ、動物と暮らす日々に思いを馳せる今日この頃でした。


もう、家に帰ろう/田辺 あゆみ

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↑最初、宮沢りえの写真集だと思ってた。
今や、その細腕に息子さんと犬と猫数匹を抱える日本版、ブリジッドバルドーですよ。